血液検査(アレルゲン特異的IgE抗体検査)
アトピー性皮膚炎の患者さまの多くは血清のIgEが高値であり、アトピー素因と呼ばれるアレルギー体質と皮膚のバリア障害により発症します。アトピー性皮膚炎に関与するアレルゲンはホコリやダニなどの環境因子が中心ですが、乳幼児では食物が増悪因子となっている可能性があります。IgEが関与する即時型I型アレルギーを調べるには血液検査により環境・食物のアレルギーを調べる「アレルゲン特異的 IgE 抗体検査」が有効です。当院では指先からの微量採血のみで41項目のアレルギースクリーニング検査を行うことができ、結果が30分で判明する「ドロップスクリーンA-1」を導入しております。
注意すること
血液検査により行う「アレルゲン特異的IgE抗体検査」は、実際のアレルギー症状と一致しないこともあり、原因不明のアレルギーを調べるスクリーニング検査として行っております。特に食物アレルギーについては検査が陽性に出ても症状がないことが多いです。個々のアレルギー診断には既存のIgEシングルアレルゲン検査や皮膚テスト(スクラッチテスト、プリックテスト)や食物除去試験などが必要です。
ドロップスクリーンA-1
当院では指先からの微量採血のみで41項目のアレルギースクリーニング検査を行うことができ、結果が30分で判明する「ドロップスクリーンA-1」を導入しております。小さなお子様や注射が苦手な患者さまでも検査が可能です(当院では2歳以上の患者さまを対象としています)。
初診の患者様のドロップスクリーンについては電話でのご予約は行っておりません。あらかじめご了承ください。
ドロップスクリーンで調べられる項目
スギやヒノキなどの花粉やホコリやダニなど吸入系のアレルゲン19項目と卵や小麦、ソバなど食物系のアレルゲン22項目(**特定原材料7種類、*特定原材料に準ずるもの11品目を含む)の合計41項目を一度に調べることができます。
検査費用
検査は保険適応となり、料金は3割負担の方で5,000円前後です。
検査の流れ
- 問診・診察
アレルギー症状の有無や家族歴などを伺い、検査を予約します。 - 採血
指先から小さい針で1滴だけ血液を取ります。注射器は使いません。 - 測定
ドロップスクリーンで測定を行い、30分程度で結果が分かります。
検査は1名ずつしか行えません。 - 結果報告・診断
測定結果が一覧でわかる報告用紙にて結果を説明します。
当日のうちに診断を行い、治療が必要な方は投薬を行います。
- 微量の採血なので血液が凝固した場合や機器にエラーが生じた場合は再検査が必要です。
他の採血と一緒に検査を行う場合はview39(予約不要)をお勧めします。
パッチテスト
「かぶれ」と言われる接触皮膚炎では原因の除去が治療の原則となります。原因となるとなるアレルゲンを調べるには遅延型のⅣ型アレルギー検査である「パッチテスト」が有効です。パッチテストは背中や腕に疑われるアレルゲンを貼って2日後、3日後、1週間後に判定を行います。
検査可能な曜日は月、火曜日のみとなります。
金属が原因として疑われる場合は鳥居株式会社のパッチテスト試薬金属15種による「金属パッチテスト」を、原因が不明な場合はかぶれを起こしやすい22種を同時に調べる佐藤製薬の「パッチテストパネル®(S)」による検査を行っております。
疑われる物質が分かる場合は、原因と思われる物質を持参していただき、パッチテストを行います。
当院で検査が難しい場合は基幹病院へ紹介いたします。
注意すること
パッチテスト検査中は入浴、運動の制限があるため、汗をかきにくい涼しい時期に検査をお勧めしています。
高用量ステロイド薬や抗アレルギー薬を内服されている方では検査はできません。
パッチテストを行うことで感作を生じることや、陽性反応部位に色素沈着が残ったり、テープ負けをしたりするおそれがあります。