一般皮膚科

主な皮膚疾患の症状

かゆみ・かさかさ・ジクジク

アトピー性皮膚炎

アトピー素因というアレルギー体質をもつ患者さんに生じ、慢性的に湿疹を繰り返す病気です。皮膚のバリア機能が低下しているため、さまざまな外的刺激に反応しかゆみが生じ、引っ掻くことで悪化します。乳児期では顔面や頭部に初発し、小児期では四肢の関節部に皮疹が見られます。10歳以降に治る患者さんも多いですが、成人になるとさらに体全体に広がり、治りが悪いこともあります。治療は保湿剤によるスキンケアとステロイド外用薬の使用が治療の中心となりますが、他にタクロリムスやJAK阻害薬、PDE4阻害薬など他の機序で効果が望める塗り薬もあります。当院では光線治療やIL3、IL14をブロックするデュピクセント®による治療も行っております。

アトピー性皮膚炎の症例画像

乾癬

物理刺激を受けやすい頭皮や肘、お尻などの部位に白いかさぶたが表面に付着する赤い斑点が見られます。かゆみはあまり強くないことが多いです。全身が赤くなることや膿を伴って熱が上がること、関節痛を伴うこともあります。ステロイド薬やビタミンD3塗布のほか光線治療や全身治療としてレチノイドやシクロスポリンによる治療は当院でも可能ですが、生物学的製剤の注射を希望の方は基幹病院へ紹介します。

乾癬の症例画像

かぶれ(接触皮膚炎)

なんらかのものに触れたところに強いかゆみを伴う湿疹がみられ、一時刺激性とアレルギー性があります。一次刺激性は灯油などの刺激が強い物質の他にも洗剤など低刺激の物質でも繰り返しの刺激で生じます。アレルギー性は金属や植物、職業性などさまざまな物質が原因となり、パッチテストによる診断が有用です。

じんましん

膨疹と呼ばれるむくんだような赤い皮疹が数十分から数時間ごとに出たり消えたりしますが、跡を残さないことが特徴です。じんましんにはアレルギー性と非アレルギー性がありますが、大部分は原因なく出現する非アレルギー性です。口唇や眼瞼にのみ限局して生じるじんましんは血管性浮腫と呼ばれ、かゆみはあまりありません。
治療は抗ヒスタミン薬の内服ですが、重症の場合はステロイドの点滴や内服を行います。慢性のじんましんで治りが悪い方にはゾレア®という注射を勧めることもあります。

じんましんの症例画像

掌蹠膿疱症

手足の裏に膿疱という白い水ぶくれが多発し、かさぶたになりながら繰り返します。ひどくなると爪が変形したり、全身に広がったり、関節痛がみられることもあります。喫煙や扁桃炎が悪化する原因になると言われています。治療はステロイド薬やビタミンD3塗布の他にエキシマライトによる光線治療も有効です。

掌蹠膿疱症の症例画像

はれ・痛み

やけど(熱傷)

やけどは深さによって1〜3度の熱傷に分けられます。1度は赤くなるのみで跡を残さず数日で消えます。2度は水疱やびらんとなり、痛みを伴います。3度は皮膚の深部まで障害されるため皮膚は白〜黒色に壊死し、痛みもありません。やけどした場合はすぐに冷やし、病院を受診してください。1度〜2度(浅達性)のやけどでは塗り薬で治すことが可能ですが、2度(深達性)〜3度のやけどは手術が必要となることがありますので基幹病院へ紹介します。

やけど(熱傷)の症例画像

帯状疱疹

水痘にかかった際に神経に潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化することで生じます。皮疹が出現する数日前に痛みが生じることが多く、神経分布に沿って片側性に生じ、紅斑のうえに小水疱が伴って見られます。皮疹が治ったあとも神経痛が長く残る場合があるので注意が必要です。水痘・帯状疱疹ウイルスの抗原検査によりその場ですぐに診断が可能であり、治療は抗ウイルス薬の内服を行います。

帯状疱疹の症例画像

単純ヘルペス

単純ヘルペスウイルスの初感染、再活性化により生じます。1型は口唇に多く、2型は陰部に発症します。疲れや外傷、強い日光を浴びるなどがきっかけで免疫が低下し、ウイルスが再活性化します。アトピー性皮膚炎に合併し、発熱を伴いながら顔面に皮疹が出現するカポジ水痘様発疹症や指先に痛みを伴い生じるヘルペス性ひょう疽などがあります。治療は抗ウイルス薬の外用や内服を行います。

巻き爪・陥入爪

巻き爪は足底からの外力不足や深爪、靴による圧迫が原因となり、親指の爪が内側に湾曲する病気です。巻き爪により爪辺縁が周囲の皮膚に食い込み、腫脹を繰り返し、痛みを伴うようになった状態が陥入爪です。巻き爪に対する矯正治療や陥入爪に対するガター法、陥入爪手術などの日帰り手術も可能です。

巻き爪・陥入爪の症例画像

蜂窩織炎

皮膚の深部に発症する感染症で下肢に好発します。下肢の腫脹と発赤が出現し、痛みを伴うことが多いです。紫斑や水疱を伴う場合や全身状態が悪い場合はさらに深部組織に感染が波及する壊死性筋膜炎に進展している可能性があり、緊急の手術が必要です。抗菌剤の静脈内投与と安静が基本であり、軽症でなければすぐに基幹病院へ紹介します。

慢性膿皮症(化膿性汗腺炎)

アポクリン汗腺の多い臀部、脇、陰部などの毛包が慢性的に炎症を繰り返すことで、破壊されそれぞれが交通して瘻孔や瘢痕を形成し、広がっていきます。後頭部に出た場合は特発性毛包炎と呼ばれ、脱毛局面を形成します。治療は抗生剤の内服、外用のほか、外科治療や炎症を鎮めるTNF-α阻害薬があります。

とこずれ(褥瘡)

とこずれは外からの力により皮膚と骨の間の組織が圧迫され血流低下により壊死してしまう病気です。悪化する要因として活動性の低下、知覚障害や低栄養などさまざまな原因が関係します。骨が突出している仙骨部、坐骨部や足関節などに好発します。予防が大事であり、多職種の医療連携が重要となってきます。
ポケットの切開などの日帰り手術や外用治療を行い、必要であれば往診も対応いたします。大型の褥瘡や感染が疑われる場合は基幹病院へすぐに紹介します。

とこずれ(褥瘡)の症例画像

皮膚がん

メラノーマ(悪性黒色腫)

メラノーマは色素を作る細胞(メラノサイト)が悪性化した皮膚がんです。日本人では特に足の裏や爪に多く出現します。診断にはダーモスコピーが有効で、早期発見、早期治療を行えば高い確率で完治が可能です。「左右が非対称」、「境界が不明瞭」、「色調が多彩」、「6mm以上ある」、「急に大きくなっている」など気になるほくろがある方はぜひ受診ください。メラノーマが疑われる場合は基幹病院へ紹介します。

メラノーマの症例画像

有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)

日光角化症や皮膚乳頭腫ウイルスが関与するとされるボーエン病など表皮内がんが浸潤して発症することが多いですが、やけどの跡や放射線なども発生母地になります。赤く盛り上がった腫瘍となり、表面は潰瘍化して匂いを伴うこともあります。治療は外科的切除です。

基底細胞癌(きていさいぼうがん)

紫外線が誘因とされ、最も頻度が高い皮膚がんです。顔面の正中近くに好発します。さまざまなタイプがありますが、黒色の結節が潰瘍を伴って出血することが多いです。進行はゆっくりですが、深部へ浸潤します。転移はまれですので予後は良いことが多いです。治療は外科的切除です。

メラノーマの症例画像

乳房外パジェット病(にゅうぼうがいぱじぇっとびょう)

外陰部、肛囲、脇などアポクリン腺という汗腺が多い場所に出現します。見た目は境界明瞭な紅色斑でそう痒感もあり、湿疹やカンジダなどの感染症に見えたり、合併したりすることもあるため診断が難しく、皮膚生検による診断が必要です。治療は外科的切除です。

日光角化症

日光が当たりやすい場所に生じる表皮内がんです。表面にかさぶたを伴う赤い皮疹ですが、進行すると盛り上がってきたり、びらんから出血したりすることがあります。治療は塗り薬や凍結療法、外科的切除です。

できもの・いぼ・ほくろ

うおのめ、たこ(鶏眼、胼胝)

慢性的な物理刺激により角質が厚くなるために生じます。うおのめは中心の角質が芯のように皮膚に食い込むため痛みが生じ、たこは角質全体が厚くなるため痛みがありません。角質を柔らかくするサリチル酸ワセリンの塗布や貼付やメス、キュレットによる削り処置を行います。

粉瘤(表皮嚢腫)

表皮や毛包の成分が真皮内に入り込んで、袋をつくる腫瘍です。痛みを伴うことはありませんが、感染を起こすと急に大きくなり、痛みが生じます。表面の皮膚を一部付けて嚢腫成分が残らないように切除しますが、感染している場合は切開のみとなります。当院では日帰り手術で治療が可能です。

粉瘤の症例画像

にきび(尋常性ざ瘡)

思春期以降に男性ホルモンが増加し、皮脂分泌が増加することで毛穴が詰まり(面ぽう)、常在菌であるアクネ菌が増殖し、遊離脂肪酸が生成されることで炎症が起きます。抗生剤の外用・内服、レチノイド・過酸化ベンゾイルの外用の他に洗顔などのスキンケアの指導も行います。ニキビ跡の治療としてはトラニラストの内服や自費診療になりますが、IPL照射による治療も可能です。

にきび(尋常性ざ瘡)の症例画像

老人性いぼ(脂漏性角化症)

中年以降に顔面、頭部や背部などに「シミ」とも呼ばれる老人性色素斑が盛り上がって生じることが多いです。境界明瞭で褐色から黒色の境界明瞭な外観で見られ、そう痒感を伴うこともあります。ダーモスコピーや視診で観察し、治療は凍結療法のほかに外科切除、サージトロン手術など日帰り手術が可能ですが、加齢と共に多発するため経過観察でも構いません。

老人性いぼの症例画像

ほくろ(色素性母斑)

神経由来の母斑細胞が増殖する病気で、生まれつき(先天性)生じることもあります。「ほくろ」と言っても大きさや形、色調などはさまざまであり、「ほくろのがん」と言われるメラノーマと診断が難しいこともあります。ダーモスコピーで病変を詳細に観察し、切除希望があれば日帰り手術で外科切除し、病理組織検査による診断を行います。レーザー治療は行っておりません。悪性が疑われる場合は基幹病院へ紹介いたします。

ほくろの症例画像

スキンタッグ(アクロコルドン)

首やわきなど皮膚の柔らかい所に好発し、皮膚色で有茎性の小さい結節が多発するため服が引っかかることがあります。大型の腫瘍が垂れ下がるようにできた場合は軟性線維腫と呼ばれています。小さい腫瘍が多発する場合は凍結治療やサージトロンを用いた手術も可能です。

スキンタッグ(アクロコルドン)の解説画像

うつる皮膚疾患

とびひ(伝染性膿痂疹)

夏に多く、幼児・小児に生じて接触により他の人にもうつる恐れがあります。黄色ブドウ球菌が産生する毒素により生じ、水疱やびらんを形成します。石鹸やボデイソープで十分洗浄し、シャワーで流すことが大事です。治療は抗生剤の内服、外用やそう痒感が強いときはステロイド薬の外用を行うこともあります。

ウイルス性いぼ(尋常性疣贅)

ヒト乳頭腫ウイルス感染により発症するいぼで、手足に好発します。ウイルスによる疾患なので他の場所にうつることや、他の人に感染することがあります。自覚症状はほとんどありません。治療は液体窒素による凍結治療を2週間前後で繰り返し行います。痛みが苦手な方や小さなお子様にはモノクロロ酢酸による治療も可能です(自費診療)。

みずむし・たむし(白癬)

糸状菌というカビの一種により生じ、足に生じると「みずむし」、陰部では「いんきんたむし」などの呼び方があります。他にも頭や手、爪にも発症することがあります。診断は角層や爪などを採取してKOHを用いた直接検鏡により行うので、結果はその場ですぐに分かります。治療は抗真菌剤の外用が基本ですが、爪や深在性に生じた場合は抗真菌剤の内服を行うことがあります。

みずむし・たむし(白癬)の症例画像

その他の皮膚疾患

尋常性白斑

色素を作るメラノサイトが減少することで皮膚の色が抜けてしまいます。片側性に出る場合や全身に出たり、顔と手足のみに出現したりするなどさまざまな部位に生じます。治療はステロイド薬の外用の他、エキシマライトによる光線治療が有効です。

円形脱毛症

頭部の1カ所のみに生じる場合や多発して眉毛など全身の毛髪が抜ける場合もあります。自身の免疫異常により毛包が攻撃を受け、脱毛が生じると考えられています。当院ではステロイド薬や塩化カルプロニウムの外用やエキシマライトによる光線治療が可能ですが、急速に進行する場合はステロイドパルス療法やJAK阻害薬などの全身治療を早期に行う必要がありますので、基幹病院へ紹介します。

多汗症

多汗症のうち原発性の局所性多汗症は、手や足の裏やワキなどの体の一部に限局して多汗の症状が見られます。交感神経が関係しているため、運動や緊張で悪化すると言われています。治療は塩化アルミニウムの外用やボトックス注射、イオントフォレーシスがあります。手とワキの多汗症では抗コリン薬の外用薬による保険診療が可能です。腋臭症(ワキガ)を合併することがありますが、多汗症とは別の病気ですので注意が必要です。